【便秘~~東洋医学から考える6つのタイプとそのセルフケア方法~~】

便秘は、原因がよくわからないケースが多い症状の一つです。どんな病気や症状にも必ず生活習慣に原因があります。

しかしながら、生活習慣は人によって様々なため、下痢の原因は人の数だけ存在することになります。

したがって、下痢の原因を見つけていく作業は途方もない作業になってしまいます。

 

東洋医学のメリットとして、”今の体の状態に応じて病気や主訴の対処ができる”という点があります。

これは、今気になっている症状の原因がはっきりわからなくても対処の仕方はありますよ、ということを意味しています。

では、”今の体の状態”をどうやって我々は把握しているのか、といいますと、それは”随伴症状”です。主訴の便秘以外に他のどんな症状をもっているか?、を知る事によって、対処の仕方=セルフケアを行うツボが変わってきます。

今回は、『便秘』の随伴症状とセルフケアについてまとめてみました。

 

まず『便秘』を語る上で欠かせないのが、”消化機能”についてです。

東洋医学では、下記のような過程を全て含めて”消化機能”と呼んでいます。

①食べ物が口から入ります。②食べ物が、消化管内で栄養素・水・不要物に分解されます。③栄養素と水が消化管から血管の中へ入り込みます。④不要物は肛門へ送られ、便として体外へ排出されます。⑤血管の中に入った栄養素・水は体中の各細胞へ運搬されます。⑥体中の細胞で栄養素・水からエネルギーを作られます。(下記の図1)

 

《便秘になる2つのケース》

・ケース1:『③栄養素と水が消化管から血管の中へ入り込む』工程が悪くなるケースの便秘。

・ケース2:消化機能の①~⑥までの全工程が悪くなるケースの便秘。

《ケース1:『③栄養素と水が消化管から血管の中へ入り込む』工程が悪くなるケースの便秘》

  

( Aタイプ)腸内への熱刺激による便秘のタイプ。

・要因:温熱刺激により図1中の『③栄養素と水が消化管から血管の中へ入り込みます。』という機能不全になります。→吸収できずに腸内に残った3つの混在物はドロドロの状態になります。(ここまでは、下痢をする過程と同じです図2)→しかし、強い熱刺激により水分のみ蒸発して、カチカチの汚物になります。→カチカチの便になり、便が排出されにくくなり便秘に至ります。

*下痢にも便秘にもなりうるタイプで、どちらになりやすいかは体質により異なります。

 

《温熱刺激による便秘の要因・随伴症状・ツボ》

①外因的要因:梅雨の時期のような高温多湿の日が続く時に、腸内に熱が蓄積して熱刺激が高まります。

②内因的要因:消化に悪い油、糖、酒などの飲食物の摂りすぎると、消化管の動きが著しく低下して腸内に熱が溜まり、熱刺激が高まります。

〈随伴症状〉

    1. 排便時に肛門に熱感がでることがあります。
    2. カチカチに硬い便が出てくるのが特徴です。
    3. 舌の苔が黄色くなる。
    4. 食欲はなくなるとは限りません。
    5. 腹痛や排便痛を伴うこと多い。

〈セルフケアのツボ〉

  1. 上巨虚(じょうこきょ)
  2. 足三里(あしさんり)

 

( Bタイプ)疲労により全身の回復力が低下ている便秘のタイプ。

・要因:《Aタイプ》の便秘が長期化。→腸自体が疲労。→疲労が全身へ。→全身で蓄積した疲労で回復力が低下。→便秘をさらに悪化させる。

〈随伴症状〉

  1. ウサギのフンのような小さい便が出るの最大の特徴です。
  2. 甘いものや脂っこいもの等の過食がなくても便が出ない。
  3. 食欲はなくなるとは限りません。
  4. 寝ても寝ても疲れが取れない状態が続いている。

〈セルフケアのツボ〉

  1. 照海(しょうかい)
  2. 陰谷(いんこく)
  3. 関元(かんげん)

 

 

《・消化機能①~⑥まで全過程が悪くなるケースの便秘。》

 

( Cタイプ):便の頻度は3~4日くらい1度で、便秘が少し進行してきた段階のタイプ。

・要因:精神的・肉体的ストレスにさらされると筋肉が緊張状態になります。→これが腸管の筋肉の緊張を高めて、消化管の運動を低下→便秘を引き起こします。

〈随伴症状〉

  1. 普段からイライラしやすい。
  2. うまく便が出た後は、気分がスッキリする。
  3. 運動すると便通が良くなる。
  4. 仕事のし過ぎで疲れが取れない。

〈セルフケアのツボ〉

  1. 行間(こうかん)
  2. 曲泉(きょくせん)

 

( Dタイプ):(東洋医学的な)消化機能が低下して、図1中の①~⑤まで全過程の機能が落ちてしまうタイプの便秘。毎日のように便が出なくなる段階です。

・要因:( Cタイプ)のタイプにさらにストレスが加わり、長期化します。→消化機能がさらに落ちます。→図1の①~⑥の消化の全過程の機能が落ちます。→腸管内に栄養物と不要物の混在で腸管を詰まらせ、便秘を起こします。

〈随伴症状〉

( Cタイプ)が進行し、疲労の蓄積してきているので、だくるて、疲れやすい。②便秘や疲労の症状がなかな改善しないため、やる気が出ない。③長期的に症状が続いているので、便が硬いわけでもないに、いきんでもなかなか便がでません。④排便後に脱力感がある。⑤胃腸にも疲労が現れるので、食欲は低下ます。②食後に胃付近の不快感がでます。

〈セルフケアのツボ〉

  1. 中脘(ちゅうかん)
  2. 足三里(あしさんり)
  3. 公孫(こうそん)

 

*補足*

【細胞で余ったエネルギーの行方】

➡細胞内で余ったエネルギーは形を変えてストックしておくシステムがあります。→エネルギーが不足した時、このシステムを逆回転させて、エネルギーを補填する仕組みがあります。

 

( Eタイプ):やる気、活力など日常生活に必要な気力・体力が消耗し無気力状態の段階。この段階では、水分などの体の代謝が低下して皮膚の乾燥などの症状が目立つようになって、腸管での水分吸収がうまくいかずに便がでなくなります。

・要因:最大の要因は、『エネルギー産生低下とエネルギーの補填低下』

 

( Dタイプ)にさらにストレスの憎悪と長期化が起こります。→『図1の⑥体全体の細胞内で栄養素と水を基にエネルギーが作られる』機能が低下します。→細胞内のエネルギー産生が低下します。→エネルギーのストックから補填が開始されます。→エネルギーストックが底をついた時に(Eタイプ)の便秘に陥ります。

〈随伴症状〉

①老人に多い便秘です。(理由:若い時より体力が落ちて、エネルギーのストックが少ないため。)②硬い便になることもある。③肌荒れ水分代謝の低下で皮膚が乾燥してきます。

〈ケアセルフケアのツボ〉

  1. 公孫(こうそん)
  2. 太衝(たいしょう)
  3. 神門(しんもん)
  4. 三陰交(さんいんこう)
  5. 血海(けっかい)

 

 

( Fタイプ):( Dタイプ)に”冷え”が加わったタイプ。

・要因:最大の時要因を一言で表現するなら”冷え”です。

( Dタイプ)の長期化します。→細胞内のエネルギーが作られなくなります。→血管を動かすエネルギーが不足します。→血流が低下します。→全身が冷たくなります。→さらに、冷たい飲食物を過剰摂取や厳しい寒さにさらされと、この(Fタイプ)の便秘に至ります。

《寒冷刺激の要因》

①外因的要因:冷たい雨や雪などの寒さに加え、高湿度の日が続くことで、腸内に温度が徐々に冷えてきて、寒冷刺激を憎悪させます。

②内因的要因:生ものやジュースなどの冷たい飲食物の摂りすぎて、腸内に温度が徐々に冷えてきて、寒冷刺激を憎悪させます。

〈随伴症状〉

①手足の冷えるのが特徴的です。②腰や膝が力が入らない。③食べ物に注意していても便秘が起こります。④排便後の脱力感がある。⑤下痢をともなう事はない。

〈ケアセルフケアのツボ〉

  1. 足三里(あしさんり)
  2. 中脘(ちゅうかん)
  3. 気海(きかい)
  4. 関元(かんげん)
  5. 復溜(ふくりゅう)

 

 

大雑把ではありますが、便秘の6つの状態に区分してみました。自分がどのタイプにあるか、随伴症状から分析することで効果的なセルフケアをすることができます。

もし自分でセルフケアを行ってみて、効果が思わしく出なかった方、ツボの見つけ方がよくわからない方、もっと詳しく東洋医学について学んでみたい方、鍼灸師や漢方薬に詳しい専門家に相談してみてください。